FC2ブログ

バタフライ・・・23

tukinoisya3.jpg





「いつまでやっている?」
「え?」

「ドンへとかいう友達の身代わりだ。」
「父さん!」

「私が何も知らないとでも思っているのか?お前がホストクラブで働いていると知った時は心臓が止まりそうだった。全くお前って奴は!恥を晒すのもいい加減にしろ。他の学生達は意義のある春休みを過ごしているというに・・・貧乏人を助けてお前は気持ちがいいだろうが、所詮それだけなのだ。甘い顔をすればするほど貧乏人という奴はつけあがる。いくらやってあげてもそのうち足らなくなるぞ。」
「父さん、言っていい事と悪い事が、、」

「もう大学院はいい。私のグループを手伝いなさい。アメリカに支社があるからその・・・」
「・・やめてくれ!」

グループホテルの専用ルームに呼ばれた俺は父の言葉を遮った。

確かにドンへとの約束は1カ月間だった。
その約束を果たす日はもうとっくに過ぎている。
昨日のドンへからの電話だと、無事に留年は免れたらしい。
来週にはバタフライに戻れるとも言っていた。

だが・・・

だが俺は、もう少しバタフライにいたかった。ドンへの交替の申し出に明確に答えてはいなかったのだ。
その理由は、彼女との接点を失いたくなかったから。
シン・チェギョンという一見オトコのコみたいなオンナのコに心底惚れてしまったから。

「シン、いくつになった?」
「25歳です。」
「お前に良い話が来ている。」
「良い・・話?」
「パク・コーポレーション会長の孫娘との・・・」
「見合いの話ならお断りします!それに順番からいくと兄さんが先です。」

ソファに深く沈みこんだ父は、苦味つぶしたような顔をして俺を見上げた。

「お前とジヌクは立場が違う。お前はグループの後継者だ。ジヌクには何一つ渡すつもりはない。」
「そんな・・父さん、兄さんだって本当は父さんの血を分けた・・」

「シン!たとえ私の本当の息子であっても、ジヌクは≪連れ子≫としてこの家へやってきたのだ。それはどんなに時が経ても変わらない。」
「・・・・」

「幸いにもジヌクはピアニストとして一本立ちした。グループをあげてジヌクをバックアップするのは当たり前だし、なんら支障もない。むしろ芸術に長けている息子で良かったと思っている。後継者争いだけは避けたい。」
「俺の・・俺の気持ちは・・・」

「シン。お前はイ・グループのトップになるのだ。その意味がわかるか?グループ全体の発展とグループで働く何万人という人々の生活をその腕で、その頭で守っていくのだ。私的な気持ちは捨てろ。公人として経済界で常に覇者でいなければならない。」

父の言葉に俺は彼女との未来を描いてみた。
誰からも認められるピアニストを目指す彼女、ピアノを弾くことが大好きと言う彼女。そんな彼女が果たしてこんながんじがらめの俺の未来に自分の未来を重ねてくれるだろうか。

「はは・・・まだ伝えてもいないのに・・・な。」
「なんだ?どうした、シン。」

「父さん、悪いが大学院はしっかり卒業させてもらう。それに俺の妻になる女性は自分で決めます。グループの利益の為だけに会ったこともないような女性と結婚だなんてお断りだ。」
「ほう、なるほど。ならば、お前一人の力でグループを大きくしていけると言うんだな?そしてお前の妻も自分で決める・・か。面白い・・・やれるものならやってみるがいい。卒業後が楽しみだ、ホストクラブで無駄な時間を費やすお前の事だ、果たしてどこまでできるか。」

スッと立ちあがった父は、踵を返して窓辺に佇みシガレットに手を伸ばした。

「話は終わった。帰ってよろしい。そろそろジヌクが来る時間だ。お前はあまり会いたくないだろう?」
「兄さんが、来る?」
「ああ。好きな女性が出来たらしい。今日はその女性と引きあわせてくれるそうだ。莫大な富を与えられない影の息子だ。僅かな望みは出来る限り叶えてやりたいからな。」

父の持つ火が点いたシガレットの先からゆっくりと紫の煙が立ち上る。

「・・・失礼します。」

父に到底太刀打ちできない今の自分。かろうじて自分の気持ちは父には伝えてはみたものの一抹の不安がある。
ドアを開けて俺は廊下に出た。目の前には、専用エレベーター。ふと見上げるとこちらに一基あがってくる。

「兄さん・か。こんな処で会いたくない・・な。」

非常階段を使うには高さがありすぎた。俺は壁に身を寄せ隠れるようにしてエレベーターの扉が開くのを待った。軽快な音とともに開かれたその扉から現れた兄。


・・え?


軽くウェーブがかかった長い髪と清楚なサーモンピンクのワンピースを着た女性がその後に続く。しかしながらその顔はよく見知った、自分が胸熱く想いを寄せる顔だったのだ。









fuwa_b2.gif
画像はふわふわ。りさま
スポンサーサイト



- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
03 05
プロフィール

hana

Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

コメント入力に関しましては、お名前と内容だけで大丈夫です。アドレスやPWは無用ですよ~

訪問者数
新着
☆彡カテゴリ☆彡
♪りんく♪
月別アーカイブ