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WAVE~遥か遠い日々・・・33


「ミン・・・立ちなさい。」
「・・・」
「其処に座っていても始まらない。」

廊下に座りこむミンの傍に歩んだヒョンは、手を差し出した。ミンはその手を恨めしく払うと一人で立ちあがった。

「貴方の手は借りません。もう、私達おしまいだわ。ユルからも見放されてしまった。貴方、解る?私の辛さが・・・貴方に騙されていたって言う事を知った時のこの辛さ、憤りを!」
「いつ・・・いつ知った。」
「六年・・前よ。」
「六年!?」
「そう・・・酷い話よね。寄りにも寄って貴方の愛人の娘を育てていたなんて。何も知らずに・・・・さぞかしご満悦だったでしょうね。チェギョンに私が愛情を注げば注ぐほど、貴方は面白可笑しく思っていたのでしょう?ね、貴方・・・私への復讐は成功ってことかしら。」
「ミン・・・・」
「もういいわ・・・過ぎたことよ。だけどこんな事、表には出したくない。いい恥曝しですものっ!」
「ミン・・・私は・・・・私は全てを忘れようとしていたんだ。君への嫉妬も君への復讐も・・・・」
「え?」
「娘をチェギョンを愛している。どんどん大きくなって可愛くなっていくチェギョンを復讐の道具にしようなどと考えた愚かな自分が恐ろしかった。出来ればこのまま何事もなくイ家の娘として育て上げたかった。」
「・・・・」
「まさか・・・まさかシンがチェギョンを愛していたなんて・・・」
「・・・私はなんとなく感じていましたわ。だから、貴方に仕返しがしたかった。」
「ミン!」
「二人が愛し合う・・・それこそ貴方への仕返し・・・」
「ミン!何て事を・・・知っていたら、感じていたら止めるべきだ!」
「あら・・なんて言って止めればよかったのですか?チェギョンは貴方と貴方の愛人との間に生まれた子だからシンと血が繋がっている、貴方達は近親相姦よ・・って、シンにチェギョンに言えというのですかっ!」
「・・・・」
「酷いですわね。命を救う医師のする事ではありませんわ。」

ミンはリビングのソファに座るとヒョンを恨めしそうに見上げた。

「お前への罪の償いは後でいくらでもする。だけど今は・・・二人を止めなければ、何としてでも!」
「チェギョンはまだ子供ですわよ。シンだって無茶は・・」
「駄目だ!急いで探しださなくては!もうチェギョンは大学生なんだ。大人なんだぞ!間違いがあってからでは遅すぎる。」
「間違い?」
「一緒に暮らすってシンは言ったじゃないか!それが何を意味するか、お前にも解るだろう?」
「そんなこと・・・でも、まさか・・・」
「チェギョンにはソヌ君の事もある。」
「あ・・」

ミンは慌てたように立ちあがると、携帯を開きシンの携帯に掛ける。無機質な留守を知らせる音声しか流れてこない。チェギョンの携帯も同じだった。
ミンは首を振りヒョンを見上げた。

「大学の寮には必ず一度は戻る筈だ。管理人には私から伝言を頼んでおこう。チェギョンの友人に心あたりはないのか?」
「ああ・・ヒスンさんかしら。チェギョンが良く口にしていた名前・・・」
「じゃ、その子にはお前から当たってくれ。いいな。」
「・・・・いいわ。」
「ミン・・・」
「・・・・」
「許してくれ・・・・・」

ソファに座るミンの前で、ヒョンは項垂れた。



















「コーヒーの味が・・・する。」

シンの唇がゆっくりチェギョンから離れていく。ふくふくとした艶やかな彼女の唇を名残おしそうに親指で辿ると再び近づいた。

「チェギョン、愛してる・・・ずっとずっとこれからも愛していく。」
「・・・シン君の気持ち、全部受け取っていいんだよね?」
「ああ、俺の全部を受け取っていい。」
「パパとママの子でなくてとても悲しかったの。だけど、パパとママの子でなくて良かった。」
「チェギョン・・・」

「シン君はお兄さんじゃない・・・」
「チェギョンは妹じゃない・・・」

額を付き合わせて、瞳を合わせ微笑み合う二人。
柔らかい日差しが降り注ぐテラスで互いの背中に手を伸ばし、その温かさを確かめ合う。
いつまでもそうしていたいと願う。
相手の存在がこんなにも愛しいと想う瞬間が永遠に続いて欲しい。

光りが当たったチェギョンのうなじが白く浮き上がり、思わずシンは其処へ顔を埋めた。
トクトクと規則正しく波打つ血潮。
自分と全く違う血流が此処にある。
這うようにして彼女の鎖骨へと到達したシンの唇は其処にはっきりと自分の証を記していく。
乱れるような激しい口付けの雨が降るのは造作なかった。


全ての箍が外れた。
全ての縛りが溶けた。
全ての・・・想いが迸った。
受け入れるわけでもなく、
拒否するわけでもなく、
ただただ、其処に・・・
愛する人がいるだけ。



開け放ったガラス戸を静かに閉じて、シンはチェギョンの柔らかな軀を寝室の暗がりの中へ運ぶ。



全てを通そうとは思わない。
許されるギリギリのところまで、
彼女が耐えられる所まで、
堕ちて行きたい。



自分の軀を軽々しく抱き上げて、
小さいベットにシン君は私の軀を沈めた。
優しく笑う瞳には、もう私しか映らないよって言っているみたい。
首筋を這う彼の唇にどうしようもない痺れを感じて、
私は思わず目をぎゅっと瞑った。



手と手を合わせて指を絡めていく。
シンの髪がチェギョンの髪に触れ、肩が、胸が、重なる。
シンの軀の重みに耐えかねて、小さくチェギョンが溜息を漏らした。

「辛い・・・か?」
「ううん・・・大丈・・・夫。」

ゆっくりと引き抜いたチェギョンと自分の服をベットから落として、シンは吸い付く様な滑らかな肌を愛おしく囲い込む。


兄でもない。
妹でもない。
愛し合う、ただ愛し合うだけ。




そんな二人が一線を越えるのは、容易いことだった。
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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