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希望・・・6

「Oh! Miss,Chae-Kyeong. I am honored to meet you.」
イギリス大使が近寄ってチェギョンの手をとると軽くキスをした。
「My did listen to of the story of the mask dance party and You are very good at the dance.」
「Please do not praise it. It is shameful・・・・・・」
チェギョンは顔を赤くしながらイギリスの宮殿での仮面舞踏会を思い出していた。
「It will be the enjoyment tonight.」
イギリス大使はにっこりと笑うとうやうやしくチェギョンにお辞儀をした。
「Thank you, Ambassador Britain・・・・」

流暢な英語で大使と話すチェギョンを皇后は満足そうに見つめた。
「皇后、チェギョンさんは随分英語が上手であるな。」
感心したように皇太后が呟いた。
「イギリスにいた期間は僅かでしたのに、よくぞあそこまで話せるようになりました。母上、パク尚宮が申すところに寄りますと、妃教育は既に終えた様子。文句のつけようがございません。」
「ほほほ・・・・・そうじゃろうて。シンが夢中になるのも致し方あるまい。あの娘のお陰でシンはだいぶ大人になったと思わないか、皇后。」
「はい、母上・・・・」



明らかにチェギョンの周りにはたくさんの要人が集まっていた。
笑顔を絶やさずそのくるくる回る人懐っこい瞳に思わず皆が吸い寄せられてしまうのだ。
後見人に皇太后がなっている・・・という理由もあるだろう。
しかし、チェギョンはチェギョンで早く自分のそばにシンが来てくれることを願っていた。大使のお付きで来た外交官がやたらと個人的な質問をしてくる。にっこり笑ってやんわりと断るが、しつこい。
そんな様子を忌々しく見ていたシンが、怒ったようにチェギョンの傍へ歩み寄ろうとしたところ皇太后に呼び止められた。

「シン。」
「はい、おばあさま。」
皇太后はそっとシンに近寄ると言った。

「あまりチェギョンの傍に寄るでないぞ。まるで最初から決まってしまっているようだからな。客人には礼を尽くしなさい。すべての妃候補に一度は声をかけるよう・・・・」
「こ・・声を掛けるのでございますか?」
「そうじゃ。」

シンは困り果てた。それでなくてもさっきからイギリス大使の傍にいる若い外交官がしきりとチェギョンに話し掛け、手まで握りしめているのだ。


う・・・・チェギョンに触るな!チェギョンと話をするな!


若い外交官を殴り倒したくなる気持ちをぐっと堪えてシンは、まず要人たちに囲まれず寂しそうに集まっている妃候補達の所へ足を運んだ。

一方、自分の周りで王族会の選挙や先のミン最高長老の話ばかりをする年寄り達にジョンアはイラついていた。
海外の要人達はチェギョンの周りばかりに集まっている。なんとか自分の方に引き付けなければ・・・・・・






歓談がある程度落ち着いてきた頃、ジョンアは当初の目論見通り、自分の演奏を王室メンバーと妃候補達に見せつけようと侍従長を呼んだ。

「急ごしらえで申し訳ないですけど、本日の園遊会に花を添えたく、妃候補達でなにか演奏をしたいわ・・・・」
「演奏・・・でございますか。よろしゅうございます。楽器はこちらでご用意させていただきます。」

侍従長は、皇后の元へ行くと二言三言耳打ちした。
皇后が微笑んで大きく頷くのが見える。

「しめた!」

ジュンアはほくそ笑んだ。
今日のために、カヤグムをずいぶん練習してきたのだ。にわか作りの雅楽隊で多分自分の演奏を他の候補者達が惹き立たせてくれるはず・・・・・・

「どなたか私と演奏をご一緒出来る方はいらっしゃらないかしら・・・・・」

ジョンアの呼びかけに、打楽器とコムンゴ、ヘグムが出来ると2,3名の候補が手を上げた。
始めたばかりなのであまり上手くはありませんと、どの妃候補も遠慮がちに言う。
ジョンアはイギリス大使らとまだ歓談しているチェギョンをじっと見て、大声で名指しした。


「シン・チェギョン様!管楽器の方がいらっしゃらないのですけれど、やって頂けます?!」


ジョンアの大声に一斉にそこにいた誰もがチェギョンの方を振り返る。
いきなり名指しされたチェギョンは一瞬迷いの表情を見せた。
勝ち誇ったようにジョンアはチェギョンを見下そうと口を開きかけた、その時だった。

「わかりました・・・・・私のようなものが演奏などとおこがましいのですが、精一杯やらせていただきます・・・・・」

意外なチェギョンの反応にジョンアは一瞬怯んだが、にっこりシンの方を見ると、お辞儀をした。
「では、殿下。ただいま準備いたします。どうぞ最後までお楽しみ下さいませ。」


シンは硬い表情のチェギョンを心配そうに見た。シンはチェギョンが今までに伝統楽器などを演奏したのを見たことがなかったのだ。ジョンアのヤラセとも言えるべきこの所業に思わず唇をかんだ。


チェギョンを笑いものにするつもりだ!


「侍従長さん、テグムをお願いします。」
そっとチェギョンは侍従長に声を掛けた。





チェギョンとジョンアを含む5名の妃候補者達は用意された楽器を手に皇帝達の前に腰を降ろした。
ジョンアの合図で始まる。
さすがに自分で言い出しただけあって、ジョンアのカヤグムは可憐な音を奏でた。だが、途中で加わったチェギョンのテグムの響きにシンはハッとした。


チェギョン・・・お前・・・・いつ?


またしても違うチェギョンを垣間見たようでシンは思わず嬉しくなった。ちらりと隣の父や母を見ると満足そうに目を閉じ、体で拍子を取っている。

「シン・・・・チェギョンは素晴らしいではないか。」
皇太后がにっこりと笑った。

チェギョンの奏でるテグムは最初低く、静かな調べを語っていたが、少しずつその音色は物悲しさを訴え始め、高音に行くほど、その少し掠れた響きに誰もが郷愁を誘われる。最後にジョンアのカヤグムが弦を弾いて曲は終わった。
盛大な拍手が妃候補達に注がれる。
特にチェギョンが立ち上がってお辞儀をした時は割れるような拍手がいつまでも続いた。





「失敗だったわ!!」

ジョンアはあまりの腹ただしさに中庭をあとにした。迎賓宮に向かう途中何度も何度も唇を噛んだ。まさか、シン・チェギョンがあれほどまでにテグムを吹けるとは思わなかったのだ。

「絶対、蹴落としてやる!覚えておきなさい!!」



リビングルームに入るとジョンアはじっとチェギョンのベットルームを見つめた。
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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