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幸せへの扉・・・20

迎賓宮からヘミョンがチェギョンを連れ出したと聞いてパク尚宮があわてて太皇太后の部屋へやって来る。
「申し訳ございませんがチェギョン様、迎賓宮にお戻りください。こちらは皇族以外の方の出入りが禁じられています。」

ヘミョンが言った。
「パク尚宮、チェギョンは一般人ではありません。シンの妻で皇太子妃です。」

「ヘミョン姫様、そうお思いになりたいのは重々判っております。私も同じ気持ちでございます。しかし・・・・」
「すみません。私、戻ります。」
チェギョンはお辞儀をすると迎賓宮へ戻って言った。しきたりを大事にする宮だなのだ・・・私はよくそれを知っている。




「五味子茶でございます。」
侍女がチェギョンの元へ運んできた懐かしいこの匂い・・・・
チェギョンはスカートにもっとこぼしてわざと模様にしたのを想い出しくすっと笑った。

「皇后様のおなりです。」
先触れの尚宮の声。
チェギョンは緊張して座りなおした。

後ろから彼女の肩をふわっと誰かが抱いた。

「おかあさ・・・・皇后様?」

「妃宮・・・・許しておくれ、私達は大きな間違いを起こしてしまった。シンがあれ程否定したのに宮を守るため私達は非情なことをした・・・・・陛下とともに謝る。」
ミンはチェギョンの肩に手を置いて泣いていた。

あの気丈なお義母様が泣くなんて・・・・・・

「皇后様・・・・私は大丈夫です。こうしてまた、帰って来る事ができました。誰も恨んでなどいません。」
「妃宮・・・」



「母上、もういいんです。」
仕事を終え応接室に戻ったシンはミンの傍に歩み寄ってその震えている肩を抱いた。
「シン。」
「さあ、母上。チェギョンに会わせたい人を連れて来たのではなかったですか?」
「ああ、そうでした・・・どうぞお入りになって。」

「えっ??」

そのとき、転がるようにして応接室に入って来た人影を見てチェギョンは息が
止まった。

「「「チェギョン!!!」」


「パパ!!ママ!!チェジュン!!」

4人は駆け寄り手を繋ぎ飛び上がる。

「チェギョン、私は遠慮させてもらいます。」
「チェギョン、隣の控室にいるからゆっくり話してこい。」
ミンとシンは微笑みながら応接室をあとにした。

「全く・・・あんたって子は連絡だって満足にしてくれないし・・・・死んでしまったかって・・・・心配で・・・し・・ん・・・ぱ・・・いで・・・」
「ママ・・・」

「チェギョン姫・・・パパは・・・パパは・・・・」
「パパ・・・・」

「ブタ!お前が死んだら車をもらおうと思っていたのに・・・・」
「チェジュン・・・・」

家族総出で泣き出した。
「ごめんね・・・・・ごめん。もう、何処にもいかない。」
「えっ?お前また宮殿にもどれるの?」
スンレがぱっと顔を輝かせて娘を見た。
「ううん、わからない・・・・・」
チェギョンは自信なさそうに答える。
「わからないって、パパだってもうチェギョンは何処へも行かせたくないんだぞ。殿下はなんて言ってるんだ?」
「う・・・・ん・・・・・」
「お前を苛めるようだったら許しちゃおかない。このパパが・・・・」
「パパ、王族会の人たちなの。」

「えっ王族会?」

スンレは黙ってしまった。保険の勧誘を随分したのにお高く止まって全く相手にしてくれなかった。庶民を馬鹿にしている!!あの悠長ないい回し方も気に入らなかった。

「チェギョン、もしここにいられないなら家に帰ってきなさい。お前の部屋は空けるから。」
「かあさん、それは酷いよ。僕の部屋だぞ!!」
「チェジュンは黙りなさい!!ママが言ってるんだぞ!!!」
「パパ・・・ママ・・・・」


4人の話を聞いていたシンは応接室に行き、チェギョンの肩を抱いた。
「チェギョンが宮殿を離れることは断じてありません。すみません、隣の控え室まで聞こえてしまいました。義父上、義母上、安心してください。必ず元に戻します。」

「「殿下・・・・お、お願いします。」」
二人はシンの手を掴むとブンブン回した。




















チェギョンの両親との面会を終え、迎賓宮から仲良く東宮殿へ戻る二人をヘミョンが捕まえた。
「チェギョン、これからはずっと私の部屋で過ごしてちょうだい。ベットを用意させたわ。陛下からはあなたが東宮殿や正殿に出入りが出来るよう許可を得たから。」

ヘミョンはチェギョンにそう言うと側にいたシンをチラッと見た。

「えっ?あ、あの、その、お姉さま。東宮殿に私は・・・・」
「だめっ!」
「へっ?」
「チェギョン・・・シンは認めないと言ったって、国中には二人が離婚したって事知れ渡っているのよ。侍女や女官の手前もあるんだから・・・・・」
「は、はい。」
チェギョンは思わず頷く。

「あなたは、独身の女性で、シンは独身の男性。婚約も結婚もしてないのに一緒に居られるわけないでしょ!!あそこは大きなベット一つだし・・・・」
思わずシンが何か言おうとして口を開いたがヘミョンは畳みかけるように言った。

「一緒に『暮らしている』なんて王族会のジジイ達に知れて見なさい?王族会の会合を目の前にして、いい餌になってしまうわ。ね?シン!!」
話しの矛先を急に自分に向けられてシンは言葉をのみ込んだ。


「とにかく、この問題を片付けない限り二人は一緒に、寝・ら・れ・な・い・ってことよ!!」


ヘミョンはニヤリと笑うと『待ってるわ』とチェギョンに手を振って行ってしまった。
「姉さんのやつ・・・・」
シンは歯軋りをした。
さすがに自分の姉ながら頭の回転の良さと、すぐに人を惹きつけてしまう所など自慢したいところはたくさんあるのだが、こうした意地悪も時々仕掛けてくる。

「シン君、じゃ・・・・・・今からお姉さまの所にいく・・・ね。」

チェギョンはションボリとして正殿のヘミョンの部屋の方へ歩きだした。
王族会は三日後に開かれる・・・という事は三晩もか!!?いやもし解決しなかったら・・・・

「三晩もまてない・・・・・」

シンはポツリとつぶやくと後ろ姿のチェギョンを見つめた。













翌朝、チェギョンはヘミョンと共に太皇太后の部屋にいた。
いつもの通り朝の挨拶にシンがやってくる。

「おはようございます。太皇太后様。」
「おはよう、シン・・・・おや、お前目が赤いのではないか?」
「そうですか?」
シンは慌てて目を擦った。

「シン?夕べはよく眠れたでしょ。こうしてチェギョンも帰って来たことだし安心だものね。」
ヘミョンはそう言ってウィンクした。

「シン君大丈夫?」

チェギョンは思わずシンの傍へ座った。傍で見るチェギョンの顔にシンは吸い寄せられるようになるのを我慢して、下を向いた。握った拳が震えている。

そんな様子をヘミョンは知ってか知らずかチェギョンに向って言った。
「さあ、チェギョン今日は一日私に付きあって。昌徳宮に行かなきゃいけないのよ。一緒にね。ね、おばあさまいいでしょ?」
「そうだな・・・妃宮はまだ行ったことないだろう?一緒に行ってきなさい。」
太皇太后に言われチェギョンは思わず頷き腰をあげようとしたが、シンに手を引っ張られソファに尻もちをつく。
「ちょっと、シン君なにするの?」
チェギョンが小さな声でシンを咎める。

「ねえさん、チェギョンは疲れているんだ。少し休ませてあげてください。」
シンは必死の形相でヘミョンへ言った。

「あら、だって・・・あなたは公務があるでしょ。お父様がお倒れになってあなたのすべきことは山積みよ。チェギョンを東宮殿に一人で置いていては可哀想じゃない・・・・・」
ヘミョンは立ち上がるとチェギョンの手を引いた。

「じゃ、おばあさま、行ってまいります。」
「そうか。気を付けてな。」

太皇太后はシンとヘミョンの顔を交互に見ながら、『なるほど』と頷いて笑った。
「シン・・・今日の処はお前の負けだな。」
そう言って太皇太后は席を立った。




部屋に残されたシンは、じっと固まったまま必死で考えを巡らせていた。

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hana

Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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