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断崖・・・1

『王子様・・私も一緒に・・・・・一人では逝かせません。』

花嫁衣裳を着た一人の女性が断崖絶壁に立っている。
馬の嘶きが聞こえ、後ろには追っ手が迫っていた。
じりっじりっと歩みを進め崖の淵まであと一歩の処に立ち尽くす。
何頭かの馬の蹄の音が止まりその中から一人の男が慌てて降りてきた。

『チェギョン!動くな!!じっとしていろ・・・なんて馬鹿な事を』

『私はあなたを絶対許さない。王子様をよくも・・・・よくも殺したな!!』
チェギョンと呼ばれた女性は胸に腕を組んで目を閉じ、そのまま後ろ向きで絶壁を墜ちていった。


『ウマレカワッテモ、アナタノソバニ・・・・』









「・・ギョン。」
「・・・チェ・・ギョン。」
「・・ン・チェ・・・ギョン。」
「・・・シン・・・チェ・・ギョン!」
「シン・チェギョン!!!!!!!!!」
ヨン教師は机を大きく叩いた。

「何をする!無礼者!!私を姫と知っての狼籍か!」
「はあ~?」
ヨン教師は手を腰にやり天井を見て呆れ顔で言った。


《キンコンカーン》


「シン・チェギョン!!後で教務室に来なさい!!」
教室中が大爆笑する。

シン・チェギョンと呼ばれた女生徒は周りをキョロキョロ見渡すと一人の男の子を見つけぺろっと舌を出した。
「また、やっちゃった~」
「まったく、一体何回やったら気が済むんだ?」
その男の子はクスっと笑うとチェギョンの編んだ髪を引っ張る。
「あーあ、またいつもの夢、見ちゃった。ユル君、帰りにトッポキ食べて帰ろうよ~なんだか凄く夢見が悪くてさぁ・・・・・」
「いいよ。だけどチェギョンその前に行くんだろ?」
「へっ?どこへ?」
「・・・教務室!!」
「あっちゃーそうだった。ヨン女史怖いからなぁ・・・・・」
「待っててあげるからさ、早く行っておいで。」
「サンキュー!ユル君。じゃ行ってくるねー」
ユルはバタバタと廊下を駆けていくチェギョンを見て微笑んだ。






私の名前はシン・チェギョン。
王立学校高等部の3年生。もうすぐ卒業なんだ。
卒業したら王立学校大学部に進学することが決まっている。
何を勉強するのかって?
へへへ。それはね・・・・





「シン・チェギョン・・・私の話を聞いてますか?!!もうすぐ卒業だからって気を抜いたら困ります!!」
教務室でヨン教師の声がキンキン響く。
他の教師達がチェギョンを見て、『またか』という顔をして笑っていた。

「あの・・・センセ、別に眠くて寝ていたんじゃなくて・・・・・」
チェギョンはヨン教師の顔を覗き込み言い訳を必死で考えている。
「じゃ、何で寝ていたんですか!!眠いから寝ていたんでしょ!シン・チェギョン。今日はあなたに課題を出します。明日までにやってくるように。」
「ひょえ~そんな・・・・ヨン先生、見逃して・・・・・」
「見逃しません。ではシン・チェギョンさようなら。」
ヨン教師は課題の山をチェギョンに渡すとさっさと退席してしまった。




「がっくり・・・・・」

チェギョンは人気のない廊下をとぼとぼと歩いた。
『ウマレカワッテモ、アナタノソバニ・・・・』
チェギョンはさっきの夢を思い返していた。

「やけにリアルだったな・・・・だけどいつも男の人の顔が思い出せなくて・・・・すごいイケメンだったら夢でも会いたいのに。」

ブツブツ独り言を言いながら彼女を待っていたユルの前を通り過ぎるチェギョン。
「おいおい、シン・チェギョン。僕のことを置いていくつもりかい?」
「わー、ゴメン!ユル君。さあ、帰ろう。」


二人は仲良く並んで学校を後にした。
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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