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ソウルノギンガ

「シン君、こっちこっち!」
「なんだよ、まだ登るのか?」
「な~に?もうバテたの?だらしがないわねぇ・・・・・」
「ふ・・・ふん!」
「本当は・・・・一番下・・から登るのが・・・正式だけど、チェ尚宮おねえさんが・・・・絶対だめっ・・・ていう・・から・・駐車場から・・・歩いて・・いる・・・ん・・だか・・ら!」
息も切れ切れに話すチェギョン。
「なんだ?お前の方がバテているじゃないか・・・・」
「へ・・・・へンだ!」




「早く!このエレベーターに乗るのよ。今日は特別に真夜中に入れてくれたんだから!」
「えっ?特別なのか?」
「うん。いつもは夜11時まで・・・・・」
「そうか・・・・・特別・・・なんだ。」
「そう・・・・」


【ポーン!】


エレベーターの扉が開かれシンとチェギョンの目の前に一面の銀河が拡がった。
眠ることを知らないソウルの街。
たくさんの光の束が幾筋もどこまでも伸びている。
漢江に架かった多くの橋はそれぞれに独特の色と光を放ち、思わずシンは息を呑んだ。


「綺麗だ・・・・・」

じっとガラス越しにソウルの銀河を観るシンの横に、そっとチェギョンは寄り添った。

「ね、シン君。知ってた?」
「何が?」
「シン君てこのソウルタワーと同じなの。」
「それは、俺が背が高いからか?」

シンはクスっと笑ってチェギョンの肩を引き寄せた。

「ううん、そうじゃない。いつもいつも見つめていたの。」
「えっ?」
「私は、あの星屑の中の一つだった。いつもいつも貴方を見上げて恋してたわ。」
「・・・・・・・・」
「このソウルタワーってどこにいても見えるのよ。道に迷った時ふと見上げるの。ああ、あそこにあるって・・・・・」
「チェギョン・・・・・」
「こうしてたくさんの星屑の中から私を選んでくれた。とっても幸せよ。」
「チェギョン・・・・君は一番輝いていたんだ。眩しいくらい。だから思わずこの手の中に掴みたかった。そしてもう二度と手離したくない。」
「シン君、貴方と離れてとても辛かった。全てを忘れてしまった方がどんなにか楽だったか。でも、こうして貴方は確かに私の傍にいる。」

シンはそっと彼女の髪にキスをした。

「父上や母上には挨拶したのか?」
「うん。朝、言ってきた・・・・」
「後悔はしないか?ずっと宮の中で暮らすこと・・・・」
「するわけないじゃない。私の全てはシン君のもの。私はシン君と一緒が一番幸せ。」
「そうか・・・・・」
「ちょっと、そうかって何よ。もっと嬉しそうにしてよ。」
「いや、今までの事が夢の中のような気がして・・・・」
「そうね・・・・」

初めてシン君と踊ったダンス。
仮面を付けてシン君に気付かれないようにしたはずなのに見つかってしまって・・・・
ほんとに辛かった。
ユル君をたくさん傷つけてしまった。


ぐるっとタワーを一回りするとチェギョンはそっと背伸びをしてシンの耳元でささやいた。

「シン君、自然が呼んでない?」
「へ?自然・・・て?」
「だから~」
「だから?」
「トイレよ!」

シンは目を見開いてチェギョンを見つめた。

「チェギョン!ト・トイレって・・・・」
「ふふふ・・・・行ってきて!!」
「何で!!」
「早く!!!!」

チェギョンはシンの背中を思い切り押した。
シンは仕方なくトイレに向かう。


数分後・・・・・・

「な・・・なんだぁ!!?あのトイレは!!」
「へへへ。驚いた?」
「仮にも俺は皇太子だ!あんなトイレ・・・・・」
「えっ済ませてこなかったの?」
「い・・・いや・・・・」
「ね。凄いでしょ。」
「ああ・・・・でも、あんなじゃ落ち着いてできない・・・・・・」
「まあね。全面ガラス張りじゃねぇ~観られちゃうかもねぇ~」
「う・・・・」

チェギョンは笑いながらシンから離れた。
シンはチェギョンを追い、後ろから抱きしめる。

「全く!謀ったな!」
「えへへ・・・・ね、シン君。またここへ来よう。今度は3人で・・・・」
「え?3人て・・・ユルでも呼ぶのか?」
「う・・・・・も、もう!シン君、キライ!!」
「えっ?」

チェギョンはシンの腕から離れるとその口元に人差し指を寄せ、シーッとやった。

「バカね。ユル君のはずないじゃない・・・・・・」
「それって・・・・・・チェギョン!?」


ソウルの銀河の上には壮大な本物の銀河がどこまでも拡がっていた。
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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