FC2ブログ

BLACK DOORより 『子供たち・・・その1』






数々の試練を乗り越えてひとりの男として成長したシンは、ヒョンの跡を継ぎ弱冠25歳で皇帝になった。
チェギョンはその皇后としてシンを精神的に支えた。
彼女の皇后としての公務もその生来の優しさからどこへ行っても国民から支持され愛された。
そんなチェギョンを唯一自分のものに出来る幸福感で満たされたシンは、内外においても温容な態度で公務にあたり、ますます開かれた王室として国民の人気は上がる一方だった。
7歳の皇太子ジュノと5歳のユナ姫もシンやチェギョンの愛情をたっぷり受けてすくすくと育っていった。
そんな頃のお話である。









「ユナは、とうさまと、かあさま、どっちがすき?」
「うーーーん」
「なあんだ、ずいぶんかんがえているね。」
「だってにいさま・・・ユナどっちもすきなんだもん。」
「ふふ・・・そうかぁ・・・ぼくもだよ。」

ジュノがユナのひたいにそっとキスをした。

「あ、とうさまがいつもかあさまにあげる『マネ』したでしょ!にいさま!」
「あたりー!!」
「もう!」
逃げるジュノの後を妹のユナが追った。


「こらこら、ジュノ、ユナ、此処では走ってはいけない。」
「「とうさま!!」」
「正殿で走ることはいけないことだけれど、お外ならいいわよ。かあさまと駆けっこしようか?」
「「かあさま、いいの?」」
「いいわよ~・・・」
「おいおい、皇后お前なぁ・・・・」
「シン君は黙って見てればいいのよ!」
「おい、チェギョン。子供たちの前では『シン君』はないぞ。」
「ははーん、照れてるの?いいじゃない。もう子供たちはとっくに外に出てるわよ。じゃあね~」

チェギョンは韓服の裾をめくり上げると子供たちの後を追った。
「まったく・・・・・俺達、来年には30になるのにいつまでも子供みたいだな。」
シンは文句を言いながらも裾を翻して子供たちの後を追う妻を優しく見つめた。


子供達とひとしきり駆けっこに興じたチェギョンがチェ尚宮に呼ばれて正殿に戻ったあと、二人は宮殿の中庭でシロツメクサを摘み王冠を作っていた。

「ほらユナじょうずにできただろう?」
「わあ、にいさまスゴーイじょうずねえ。」
「ぼくはなんでもできちゃうんだぞ。えへん!」
「ユナは・・・・・あーこわれちゃった・・・・」
ジュノは壊れたユナの花束を拾い上げ作り始めた。

「ねえ、ユナ。さっきのどっちがすき?・・・だけどー。」
「うん、なあに。にいさま・・・」
「ぼくはかあさまの『やさしいにおい』がすきだけどー・・・・」
「あっ!ユナも『かあさまのにおい』ダイスキ!」
「・・・・っていうか、ぼくはね、とうさまの『おとこのいろか』がすきなんだ。」
ワザと難しい言葉を使って得意げに話すジュノ。

「えー何?オトコノイロカって?????」

「うんと・・『おとこのいろか』は『おとこのいろか』だよ!!」
「ふーん・・・・」
ユナに突っ込まれそうになってジュノは慌てて出来上がった王冠をユナに渡す。



(後でコン爺に訊かなくちゃ・・・・『音この色か』かぁ・・・・なんだろう)



「コン爺ちょっといい?」
コン内官は、今は相談役として内官達の教育係をしていた。
「何でございましょう、殿下。」
コン相談役はにっこり笑うと腰を下ろしてジュノの瞳を見つめた。

「あのねえ・・・あのねえ・・・・」
「何でございますか?」
「これ、とうさまたちには、ないしょだよ。」
ジュノはそのカワイイ指を唇に当ててシィーーっとやった。
「はい。」

「あのね、『音この色か』ってどういういみ?」

「えっ・・・・・男の色香でございますか?」
「うん。そう、どういういみなの?」
「それはですね・・・・・・・」
コン相談役は返事に詰まってしまった。

「殿下、一体そのお言葉をどこで聞かれたのですか?」
ジュノはコン相談役の耳元に近づくと小さな声で言った。

「このあいだね、ガンヒョンおばちゃんが、かあさまのところにきて、いったの。『へいかってさいきん、すごみがましてきたわね、それにおとこのいろかもあってとってもすてきだわ。ほれぼれする。』って・・・・たちぎきするつもりは、なかったんだけど・・・・ぼく。」
コン相談役は微笑んだ。

「殿下・・・・その意味はですね・・・・・・・・・・・・・・」

ジュノ本人がその言葉を自分に向けられるのは、十数年先になる。時々そのことを思い出しては苦笑する若き皇太子がそこにいた。






スポンサーサイト



- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
06 08
プロフィール

hana

Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

コメント入力に関しましては、お名前と内容だけで大丈夫です。アドレスやPWは無用ですよ~

訪問者数
新着
☆彡カテゴリ☆彡
♪りんく♪
月別アーカイブ