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二人の未来・・・1

桃の季節も終わり、いつの間にか桜の季節に移り変わっていた。景福宮を取り囲んでいる桜の木が薄ピンク色に染め上げられている。



シンは『回復が見込めず長期治療が必要』ということにして温洋にある海沿いのカン総合病院系列のサナトリウムに移り常時面会謝絶としていた。
すっかり仰々しい包帯も取れたシンはカジュアルな服装で病室のソファに座っている。

「コン内官、どうだ?キム尚宮の動きは・・・」
「はい、殿下。それが面白い事がわかりました。」

「面白い・・・とは?」
「どうやらあの尚宮はイ・カン皇太子の婚約者付きの尚宮の娘らしいのです。カン皇太子が廃位なってからは生活に困って韓国に戻り、結婚してキム尚宮を産んだらしいのですがアメリでの生活で既に体を壊しておりすぐ亡くなったと・・・父親も早いうちに亡くなっており、ガンフのイ家に引き取られ育てられました。」

「婚約者つき尚宮・・・・」
「婚約者とは、ガンフの父の末妹です。今のところこれといった動きはしてはいないようです。東宮殿には今まで以上に護衛を配置致しましたし、チェ尚宮様も片時も妃宮様のお傍を離れません。」

「そうか・・・」
シンはチェギョンを思った。


危険な中、変装までして会いに来てくれた。
彼女にまた会いたい。
彼女の温もりに触れたい。


「殿下お話がございます。」
コン内官はそんなシンを見つめながら遠慮がちに言った。

「実は本日の午後、迎賓宮にて太皇太后様とある御方の面会がございます。」
「ある方・・・とは?」

コン内官は黙って下を向いた。
そして静かに言った。

「聖祖陛下の兄上イ・カン殿下の御孫様と会われるそうです。殿下とはお祖父様同士がご兄弟の『従堂兄』に当たられる方です。」

「えっ?『従堂兄』?そのような者がいたのか。一体誰なんだ?」

「・・・・・イ・スハン様です。」



「イ・スハン!!!?」



シンは桃の宴の時のスハンに対する警戒心が何なのか漸くこれで解けたような気がした。
ピアニストというだけでなく他に何か持っている・・・・
ユルを前にしたような感覚・・・・
チェギョンがまた遠くへいってしまうような畏れ・・・・

そうか!だから無意識に警戒したんだ。



「コン内官。どうしてイ・スハンがイ・カン殿下の孫と判ったのだ?」

「殿下、どうやらイ・ガンフ様が呼び寄せたと我々は見ております。スハン様がたまたま世界的ピアニストでしたからそれを利用して国立中央劇場顧問としてこの韓国に呼び寄せたと・・・・・」

「最初から知っていたとすれば・・・イ・ガンフ、何か企んでいるのか?」

「はい、殿下の仰せの通り・・・キム尚宮にしてもガンフに繋がっております。もしかすると・・・」



「黒幕はイ・ガンフ・・・・」



シンは呟いた。

「はい。情報局もそう睨んでおります。しかし、証拠がございません。確固たる証拠が・・・それに皇太后ファヨン様にもガンフ様は接触しております。」

「・・・・・ユルか・・一体ガンフは何を考えているのだ!」
シンはイライラしていた。

「それからスハン様ですが、果たしてどこまでご存知か判りません。単に利用されているのか、それとも一枚噛んでいるのか・・・」




必要以上にチェギョンに近づくスハンにシンは吐き気がしていた。
あのサロンでの二人の様子が目に浮かんでくる。

自分の妻の肢体を覆うようにして後ろからピアノを弾く彼女の手に自分の手を添えていたスハン。
宴の時、妻の手をとってエスコートし、仲良く並んで連弾をしたスハン。
自分と同じ血を引いているなんて・・!

チェギョンに少なからず好意を抱いているのは一目見て判った。自分と同じ目をしているからだ。



(チェギョンには指一本たりとも触れさせない。彼女は俺の大事な宝物だ。)



シンはこれから始まるであろう自分たちの未来を賭けた戦いが目前に迫っている事に妙な高揚感を覚えた。チェギョンと共に一緒に作る未来。負けられない・・・・



ナイフで斬られた右肩をそっと押さえて、窓から見える青い海をシンはじっと見つめた。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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