FC2ブログ

幸せへの扉 ・・・1

私の名前は、シン・チェギョン。

大韓民国の皇太子妃・・・・だった。

今はただの一般人。

今までの私の人生は大変だったの。
今は亡き聖祖陛下と私のお爺さんとの約束で、皇太子イ・シンの妻となった私。最初は家の借金の為、お爺さんとの約束を守るため、仕方なく宮に入ったわ。
・・・皇太子のシン君には意地悪され、尚宮とか呼ばれるお姉さんからは学校で習ったことのないような勉強まで強いられてとっても大変だった。唯一シン君の従兄弟でユル君という義誠大君殿下が私の味方・・・だったのかな?

ただね、シン君て実は優しい。
小さい頃から自分の感情を出してはいけないって教えられてきたから凄く不器用なの、自分の気持ちを表すのが・・・・だ・か・ら意地悪していたのね。
そんなシン君をいつしか私は好きになっていた。
でもユル君も私の事好きだったみたい。
私ってそんなのには疎いから何かとシン君に苛められるとユル君に相談していたのね。
夫であるシン君の気持ちなんて知らずに。
それで、あの事件。

ユル君の誕生パーティの夜。私はもう少しでユル君に・・・シン君が助けに来てくれなかったらどうなっていたか。その時よね。シン君自身も私への気持ちに気付いたのは。ホント、遅いって・・・・

それからはシン君、俗に言うツンデレ状態ね。
このチェギョン様の魅力にイチコロよ!
でもいいことってしばらく続かない。私ユル君に誘拐されちゃったの。
元王族のイ・ジヨンさんの島に監禁されちゃった。そして私は心神喪失状態。シン君の悲しみは物凄かったって尚宮のお姉さんから聴いている。

一番幸せだったのはシン君の20歳の誕生パーティ。済州島で開いたんだけどダンスパーティもあってシン君はチョー素敵だし。
でもその後がイケなかった。シン君と王族のウニョンとの間に子供がデキちゃって邪魔な私は廃妃になるし、離婚されて実家に帰ったわ。
世間って冷たいのよね。あることないこと噂して、だからジヨンさんに貰った島へ逃げたの。
シン君たらその場所をすぐ見つけちゃって私焦ったわ。だってもう宮に私の居場所なんてないのに。



そうして私は今、釜山にいる。名前はチュ・シヨンとして・・・・






「おばさま!チャガルチ市場にもいきましょ!」
初老の上品な女性と腕を組んで、にこやかにその表情をくるくる変えながら一緒に歩く女の子が言った。ソウルの明洞のような賑やかさだ。
時折冷たい風が頬を撫で、もうすぐ来る冬の到来を告げていた。


「ね、今日は海鮮チゲにしましょうよ。」
「ま、今日も、でしょ?」
初老の女性はにこにこ笑いながら言った。



チェギョンは釜山にいた。
あの事件からずっとジヨンとは交流をもっており島も譲り受けたのだが、他に頼る者がいないチェギョンはジヨンを頼って釜山へ来ていたのだった。
西面のデパートのアルバイトをしながらチェギョンはジヨンと暮らしていた。時折自宅には心配しないでと電話は入れていた。
ジヨンは毎日が充実していた。最初、チェギョンが自分の処へ転がり込んだ時は驚いたが、こうして暮らしていくうちに、自分の孫のような感覚におそわれて手放しがたくなっていた。

「さあ、今日は締めにうどんを入れましょ!!」

おいしそうに食べるチェギョンを見てジヨンはコン内官の言葉を思い出していた。
(殿下がご自分で動き出すまで、チェギョン様の事宜しくお願いいたします)
チェギョンが自分の処へ転がり込んで暫くの間はどうしたら良いか迷っていたのだが、決心してコン内官には電話を入れておいた。
毎晩、ジヨンに知られないように布団の中で嗚咽を漏らすチェギョンの様子を見てジヨンは胸が痛んだ。




「おばさま行ってきまーす。」
自転車に乗ったチェギョンは風を切って港町を走り抜けた。
「はーっ、今日も寒いわね。もしかして雪が降るかしら・・・・なんだかそんな匂いがする。」
頬に冷たく触れる空気にチェギョンは思わず身震いした。

アルバイト先のデパートに着き更衣室へ向かう。チェギョンの仕事は服飾コーナーの担当助手とイベントがあるときはその美術担当の助手をしていた。

「チュさん、鼻が真赤よ!」

笑いながらチョギョンの仕事仲間がチェギョンの鼻をつついて言った。
「へ?ほんと?」
チェギョンはロッカーの鏡を覗いてから思いっきり鼻水をかんだ。
「自転車はそろそろきついかなあ・・・」
チェギョンは鼻をごしごし拭いていた。

「チュさん早くしないと遅れるわよ。主任は怖いんだから・・・」

チェギョンは「チュ・シヨン」という名前で働いていた。誰もチェギョンのことを元皇太子妃とは気がつかなかった。
まん丸お団子頭に鉛筆を指して、牛乳瓶底のメガネを掛け、セーターにミニスカート、ブーツ姿はどこにでもいる女の子だった。


「チュさん。イベント関係のあなたの新しい上司よ。」
キム主任がその新しい上司とやらを連れてきた。


「はじめまして、チュ・シヨンと申します。」
「ああ、宜しく。パク・チソンだ。」


チェギョンは握手をしようと右手を出したのに、そのパク・チソンという男はチェギョンを無視してキム主任の肩を抱いて話をしながら歩き出す。


「ちょっと!あの人凄く素敵じゃない。背は高いしハンサムだし・・・」
仕事仲間が騒ぎ出す。

「やめときなさい!あの人凄いプレイボーイなんですってよ。女性関係で本社から左遷されて・・・・」
「ええっ?キム主任大丈夫かな?」
「ねえ、チュさん。気をつけなさいね。一緒に仕事するんでしょ?」
「ええ、まあ・・・」

チェギョンはチソンの後姿を見た。私の事見もしなかったわ。握手だって・・・・
私は眼中にないってことよ。これって喜ばしいのかしら、悲しい事なのかしら・・・うーん。チェギョンは一人廊下で考えて込んでいた。

「ちょっとお前、さっきっから何やってんだ?一人ニヤニヤと・・」
いつの間にかチソンがチェギョンの前にいて顔を覗きこんでいた。顔を物凄く近づけて覗きこまれたため、チェギョンは息が止まりそうになり思わず口をパクパクさせた。


「ははは・・・まるで金魚だ!お前おもしろいな。」


チソンはそういうとデザイン室に消えた。

<な・な・な・何あれ?わたしのこと金魚ですって!?>



チェギョンはこのパク・チソンという男が自分の上司となり、毎日顔を合わせなくてはならないと思うと憂鬱になった。

スポンサーサイト



- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
06 08
プロフィール

hana

Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

コメント入力に関しましては、お名前と内容だけで大丈夫です。アドレスやPWは無用ですよ~

訪問者数
新着
☆彡カテゴリ☆彡
♪りんく♪
月別アーカイブ