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偽りの心、真実の心 ・・・1

ジテが宮に電話を入れたその日の夕方、迎賓宮の応接室にはウニョンの父、イ・ドンウォンと妻の姿があった。
イ・ドンウォンが理事長をしている情報専門校に直接宮から電話があった。至急来るようにと・・・・
ドンウォンは宮殿に呼ばれる理由が思いつかなかった。
父上はもう香港で暮らしている。王室に対して自分たちは、何も咎められるような事はしてない筈だ。

応接室のドアが開き、コン内官とチェ尚宮が入ってきた。二人とも厳しい顔をしている。
ドンウォン達は慌てて立ち上がった。

「どうぞ、お座りください。」
コン内官はそう言って椅子を勧めた。

「私達は皇太子殿下、妃殿下のお付きをしています、内官と尚宮でございます。この度は急なお呼びたてを致しまして申し訳ございません。」
チェ尚宮が言った。

コン内官は椅子に座ってほっと一息ついたドンウォンに向かって言った。
「本日、お二人をお呼び致しましたのは、そちらのご令嬢イ・ウニョン様についてでございます。」

「ウニョン?え?ウニョンが粗相でもしたのですか?」
ドンウォンはびっくりして尋ねた。
王立高校に通ってはいるが、殿下夫妻も大学に通ってらっしゃる・・・・・なにか学校で・・・・・ドンウォンは考えを巡らせた。

「その前にお聞きしたいことがあるのですが、イ・ジテ様はそちらのご子息様でいらっしゃいますか?」
チェ尚宮が訊く。

「は、はい。ジテは長男ですが・・・・・・」
コン内官とチェ尚宮は顔を見合わせて頷く。

コン内官がドンウォンを見つめ静かに言った。
「実は、ご子息様より直接、皇后陛下にお電話がありまして・・・」
「え?ジテが皇后陛下に直接???」
ドンウォンは狼狽していた。なにを考えているんだ!ジテは!!

「それがウニョン様の事なのです。」
「え?ウニョン?」
今度はドンウォンの妻がコン内官の顔を見る。

「大変言いにくい事なのですが、そのジテ様よりウニョン様が・・・・・殿下のお子様を・・・懐妊された・・・・・とお電話がございまして・・・・」
「「懐妊??????」」
ドンウォンと妻は椅子から落ちそうになるほど驚いた。


懐妊って妊娠のことだよな・・・・妊娠?ウニョンが?そんな・・・・ばかな!!殿下のお子様が???


「申し訳ございませんが、その様な事どこから出てくるのですか。ウニョンは大切に育てた娘です。そんな妊娠などふしだらな事をするような娘ではありません!!!!」
ドンウォンは息が詰まりそうになりながらも必死で言った。

「うちの娘に限ってその様なことあるわけないです!!!」
妻も真赤になって叫んだ。


「そうですか・・・そちらのご子息様が皇后陛下に嘘、偽りを言ったということですね。
王室冒涜罪になりますよ・・・」
「・・・・・・・・」
「とにかく、事実関係をはっきりなさって私に連絡をください。これからすぐに。ではこれにてお帰りください。」
コン内官はドアを指し示した。


二人はよろよろと立ちあがると足が縺れるようにして応接室をあとにした。



「皇后陛下、いかがでしょうか。」
チェ尚宮が隣室にて一部始終の話を聴いていたミンに向かって静かに口を開く.。
「まだ、本当の事は判らぬ。あの夫妻はなにも知らないようだ。もし、このことが発覚したなら、皇太子の資質を問われ王室の存続も危ぶまれるぞ。心してかかれ。」

ミンは韓服をひるがえすと正殿へ向かった。陛下の耳に入れるのはまだ早い。すべてを明らかにしてからだ。ミンは震える手を押さえながらシンを想った。







ドンウォンは家に急いで向かった。
何が何だかわからない。妻も顔を覆って目をつぶっていた。

「お前はウニョンの様子で何か気付いたことはなかったのか!!」
ドンウォンは苛立って妻の顔を見た。

「あなた、そりゃ済州島から帰ってきて少し元気はなかったみたいですけど学校には行ってますし何も変わりは・・・・・あっ・・・」
「どうした?」
妻の顔がだんだん青くなる。

「最近、胃の調子が悪いってあまり食事をしなかったわ。ウニョンに限ってそんなことないから、ただの胃腸炎かと・・・」
「くそっ!!」
ドンウォンは握っているハンドルを叩いた。

もし、内官達の言うことが本当ならウニョンはどうなる?宮というしきたりの中で父上と同じような目に会ってしまうのか?いや、殿下のお子様がいたとしたらそれはすまい・・・しかし、殿下には正妃がいらっしゃる。・・・側室・・いや今の時代ありえない・・・・とすると?・・・ドンウォンは混乱していた。

家の前に車を停めるとドンウォンと妻は門を押し開けポーチへと続く階段を駆け上がった。
「ウニョン!ウニョンはどこだ!!!」
ドンウォンが叫んだ。

「どうしたの・・・お父様・・」
ウニョンが自分の部屋から出て階段の上から見下ろした。

「降りてきなさい!!」
ドンウォンは物凄い形相でウニョンを見つめた。


「ウニョンここに座れ。私が今から言うことに正直に答えるんだ!!!!」
「・・・・」
「お前のお腹の中に皇太子殿下との間に出来たお子様がいらっしゃるのか?」
「えっ?」
「ウニョン、もう一度訊く。お前は殿下のお子様を身ごもったのか?」
「・・・・・・・・・」
「どうした!!!!正直に言いなさい!!!!」

ウニョンはあまりの父の剣幕に泣き出してしまった。

「ウニョン・・・・心配しないでいいから、私達があなたを守るから正直に言ってごらん。」
母が優しく言った。



「ウニョン、本当だと言え。遠慮することはない!」
ジテが後ろから言った。
「ジテ?なぜお前が知っている・・・・?」
「父さん、殿下の誕生パーティが済州島であっただろう。その夜、ウニョンは殿下と一緒だった・・・」
「なんだって????」
「まあ・・・・・・」
二人は腰を抜かすくらい驚いた。
「多分その時に・・・」
ドンウォン夫妻はウニョンを見つめもう何も言えなくなり、床にへなへなと座り込んだ。

ウニョンはそんな二人と兄を見つめ黙り込んだ。


お兄様違うのよ・・・
殿下とは何もなかった・・・
この子は殿下の子じゃない・・・・
私はどうすれば・・・・・・・・・・・・


ドンウォンはしばらく座りこんでいたが、何かを決断したように立ち上がった。
とにかく、今はどんな形であれ娘を守る事が先決だ。
電話を取るとコン内官の携帯番号を押した。

「もしもし、内官様ですか?イ・ドンウォンです。娘はやはり殿下のお子様を・・」



宮に電話を掛ける父の姿を見てもう後には引けなくなったとウニョンは思った。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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