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春の嵐・・・1

「父上の処分が決まったよ。」

イ・ドンウォンは宮からの電話を置くとため息をついた。


「おじい様は大丈夫なの?」
「ああ、今のところはな・・・・・・・・ウニョン、私たちはもう王族ではない。お前達の孫の代まで王族を名乗る事を禁じられた。しかし、例えお前達の孫の次の世代になったとしてももう王族に復帰するのは無理だろう・・・・・・それから、父上はソウルで暮らす事ができなくなった。韓国も住みにくい。別荘のある香港で暮らす事になる。」

「あなた、私たちの生活は?」
ドンウォンは心配そうな妻の顔を見つめたが、大きく首を横に振って答えた。

「何も変わりはしない。今、経営している会社と2つの専門校も着実に業績を伸ばしている。私は王族と言う特権階級を当てにせず、自分の力で仕事をしてきて良かったと思ってるよ。」

ドンウォンはソファにドカッと座るとゆっくりタバコに火を付けた。


「私、王立大学の高等部に編入したいのお父様。」
「ああ、そうだったな・・・・大丈夫だ。王族への手当て金がなくてもお前たちには不自由はさせないからな。」


それを聞いてほっとするウニョンだった。




ウニョンが王立大学高等部に編入したのは学年末も近い頃だった。
その美しさと優雅な物腰、頭の回転の良さですぐ生徒たちの人気者になった。

春には最高学年になり、いつの間にか学校代表の立候補者にさせられ選挙の結果、晴れて学校代表として校長の絶大な信頼をも得るようになる。また、各教務室や資料室などに気軽に入れる特権も与えられた。




4月も半ば過ぎた暖かい日、ウニョンは英語科教務室の窓際に座って資料を調べていた。


「ちょっと、聞いた?先日、皇太子殿下と妃殿下が大学部にご入学されたんですってよ。」
3人の若い英語教師がお喋りを始めた。

ウニョンはハッとして耳を澄ます。

「随分遅いご入学ね。」
「何でも妃殿下がご病気だったみたいよ。」
「そうなの?」

「あ、ねえ、知ってる?皇太子殿下って妃殿下にべた惚れなんですって。」
「うそ!あの殿下が?・・・・高校生の頃『氷の皇子』って言われていたじゃない。」
「それがそうでもないらしいの。ふふふ・・・私見ちゃったの・・・・・」

「「なにを?」」
「恥ずかしくて言えないわ・・・・」
「「言いなさい。」」

「・・・・しょうがない。ほら大学部の図書館に控え室があるでしょ、王室専用の。」
「「うんうん。」」
「そこのドアに寄り掛かってお二人がいたのよ。」

「「それで・・・」」
「殿下ったら妃殿下をこうぎゅっと抱き締めて・・・・濃厚なキス・・・・」

「「きゃーっ」」

「私が見ているのによ!・・・・妃殿下は私に気が付いて殿下の事咎めてらっしゃったみたいだけど、殿下は知らん振りして更に・・・・・もう!こっちが恥ずかしくなるわよ!」


ドサッ・・・・ウニョンが資料を落とした。


教師たちはそこで初めてウニョンに気が付いた。

「あ・・・・ウニョン・・・・・・ご・・ご苦労様。もういいわよ。お帰りなさい。」
「はい。失礼します。」


ウニョンは教務室を出て中庭に向かった。


皇太子殿下とチェギョン妃がこの同じ校内にいる。
震える手を押さえながらウニョンは図書館のある方向を見上げた。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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