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記憶の箱 ・・・1

家のホールでは警務官達が忙しく動き回り、証拠となるものの押収を始めている。

コン内官は少し遅れて坂を上ってきた。

「内官殿、皆様大変お疲れではございましょうが、殿下と妃宮様に簡単なご質問をさせていただきたいのですが、宜しいでしょうか。」
警務官はコン内官に言った。
「はい。ただいま殿下と相談して参ります。」

コン内官は警務官に示された二人の部屋に静かに歩み寄りドアをノックしようとしてその手を止めた。


「殿下・・・お泣きになっている。」


今まで一度とて私の前では、まして公の場で泣かれたりはしなかった殿下だ。いつも我慢をされていた。それがこうして・・・・・・殿下・・

「申し訳ございませんが、今少々お待ちになっては頂けないでしょうか。」
コン内官は、警務官に向かって静かに頭を下げた。

いったい妃宮様に何があったのだろう。
ご無事であるならば殿下はすぐお戻りになるとおっしゃるはずだ。なのに・・・
外では妃宮様を誘拐したと思われる男が大型のヘリに乗せられていた。あの男・・・たしか・・・・






「コン内官、ご苦労でした。空軍のヘリを用意したのですか。」
「殿下。」

シンはうつむき加減にコン内官のほうを見てたずねた。
「はい。警察のものですと目立ちます。空軍でしたら演習ということにできますので・・・・」

「そうか。」

「殿下。妃宮様はいかがされましたか?」
「・・・・・・・」

「殿下?」
「・・・少し疲れているようだ。今支度をしている。このまま宮殿に帰れそうか?」
「簡単なご質問があるそうです。妃宮様にも。」


「妃宮はだめだ!!!!!」


急にシンは大声を出した。
コン内官は少し驚いてシンを見つめる。

「ああ、コン内官すまない。妃宮はかなり衰弱している。このまま帰れないだろうか。私は後でいくらでも質問には応えるが、妃宮は・・・・だめだ!」
シンの強い言葉にコン内官は何も言えなくなった。


「殿下がこのままお帰りになりたいとの事なのでよろしいでしょうか?」
警務官達はしばらく話合っていたが、後で宮殿に赴くということになった。

「妃宮を連れてくる。」

そういうとシンは再び部屋に入っていった。
やがてチェギョンを抱いたシンが部屋の外に姿を現した。
チェギョンの姿を一目見てコン内官は叫んだ。


「妃宮様?!!!!」


そこにはコン内官が知っているチェギョンではなく青白い顔をした人形のような女の子がシンに抱かれているのだった。

シンは誰にも見られないようにチェギョンを自分のコートで覆い隠し、用意されたヘリに乗り込んだ。

「チェギョン。東宮殿へ、家へ帰るぞ・・・・」

シンはチェギョンを見つめながらそっとつぶやいた。




東の空がうっすらと赤みを帯びてきていた。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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