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昼の宮殿・・・1


「申し訳ございません。私には東宮殿にてお仕えする自信がなくなりました。どうぞ別の部署をご命じください。」

昨年侍女から晴れて女官となり1週間前ここ東宮殿に配属になったパク女官はチェ尚宮に対しうつむき加減で辞意を口にしていた。

私は、皇太子殿下に大きな憧れを抱いてこの御所の試験を受けた。同じように沢山の女性達がこの試験を受けたのも知っている。すべては憧れている皇太子殿下に一目会い、あわよくばお声をかけていただければと想ってのことだった。

王族から何代も前に外れていたパク家では娘が御所にあがることが悲願であった。
「いくら財力があっても王室と一般人ではまったく月とすっぽんだ。娘が殿下の目にでも留まればチャンスだ。エリ、頼んだぞ。王室の外戚ともなれば箔がつく。」
「お父様、殿下は絶対私のものにしてみせます。」

1年間の侍女生活。時折各国の大使を迎えるため迎賓宮に来るシンの姿を何度か見かけたことはあったが、声をかけられることはおろかシンの声を聞くことすらできないでいた。
「早く女官になって殿下のお傍にいけるよう私がいろいろ手を打った。」
父親はそういっていたが、入宮して1年後女官試験にみごと合格し、女官パク・エリは幸運にも東宮殿の女官に就任したのであった。

「いったい何が不満でそのような事を申すのだ。」

チェ尚宮から連絡を受けたコン内官はパク女官を怪訝そうに見つめた。

「それは・・・・・」

エリは口ごもってしまった。シン殿下とチェギョン妃があんなにも仲がいいなんて知らなかった。この間なんて、朝のお声かけに寝室をノックしたら、朝食までは人払いしてあるはずだ、なんてチェ尚宮様をとおしてお叱りになられたし、ご公務にお出かけになられる時なんて妃宮様をいつまでもお抱きになっているんだもの、目のやり場に困ったわ。それよりも毎日こんな光景を見せ付けられたんじゃ私の気持ちが収まらない。
私だって財閥の令嬢といわれてたくさんの人たちから崇められたわ。だけど、今はどう?財力もないただの庶民の女がシン殿下を手玉にとっている。

「申し訳ございません。どうぞ勝手な言い分ではありますがどうぞお汲み取りください。」

これで何人目だろうとコン内官はため息をついた。
別荘での事件のあと、二人の仲がたいそう睦まじくなったのはコン内官にとって嬉しいことではあったが、ここのところ新しく就任したばかりの女官達がすぐに他の部署を、と言い出してきていたのだった。

「どうしたものやら・・・」

コン内官は頭をかかえた。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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