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夜の海・・・1

大韓民国、イ家の統治下になり500年あまり、第28代皇帝・聖祖は後の皇太子妃として友人の孫娘シン・チェギョンを指名する。

それは聖祖亡き後遺言として残され、当時ただの皇子であったイ・シンが運命の悪戯か皇太子となり19歳の時、18歳のシン・チェギョンを不本意ながらも正妃として迎え入れた。


愛のない婚姻を結んだ二人は何かと衝突が多く、宮の世界に馴染めないシン・チェギョンは異質だった。











ユルの19歳の誕生日が近づいてきた。
太皇太后様に許しをもらい宮の外での誕生パーティを企画することにしたユルは王族会のイ・ソムルの別荘を借りることにした。

「義誠大君殿下、部屋は十分にございます。お一人部屋、お二人部屋などご希望に添えるものと思われます。」
「ありがとう。楽しんできます。」




「ねえ、なんで一人部屋なのでござるか?みんなで泊まりたいでござるよ!!」
ヒスンは顔を膨らませた。
「そうね、私達は同じ部屋にするわ。いいでしょ、ユル君」
ガンヒョンがウインクして言った。チェギョンも慌てて、
「あ、わたしも・・ガンヒョーン・・」
「あんたはだんな様がいるでしょ。シン殿下、奥様をよろしくね。」
ガンヒョン達はさっさと行ってしまった。


「チェギョン、シンと一緒が嫌なら一人部屋だってあるし・・・・」
「ほら、なにやってんだ?行くぞ、ぐずぐずするな!」
シンはユルの話を遮り、チェギョンの手を強引に引いて歩き出した。

「シン君痛いってば・・・歩けるって・・・」

ユルはシンに引かれていくチェギョンを見つめていた。



ユルの用意した別荘から4~5分歩いたところに、さんご礁の美しい浜辺がある。
白い灯台が陽の光を浴び、チカチカと光っている。
夕食はその灯台の下のレストランに予約してあった。
陽が傾く前に写真を撮りながらレストランに歩いて行こうと課題を済ませたいというユルを別荘に残してシン達9人は浜辺に来ていた。

「俺の白鳥!きれいだ!」
「ギョン!気持ち悪いからやめてよ!」
カメラを構えながらさかんにガンヒョンの周りをうろつくギョン。

インはヒョリンに付き添いながら灯台に向かって歩き出した。
「ヒョリン、もうシンのことは大丈夫なのか?」
「・・・・」
「俺はずっと待っている」
「・・・イン。この前シンと話したの。いつか私はバレリーナにシンは映画監督になるために一緒に留学しようって言ったわよねって・・・」
「ヒョリン・・」
「でも、ふられちゃったわ。留学するとしても一人じゃない、大切な女性と一緒だ・・なんて。たぶん最初からシンとは繋がってなかった、私がシンのプロポーズを断らなかったとしても同じ結果になるわ。」
ヒョリンは寂びそうにつぶやいた。
「これでよかったのよ、これ以上私も傷つきたくない!」
インは潮風に吹かれながら髪をかきあげるヒョリンを見つめていた。


「きゃーっ!!!」

写真を撮りながら一番前を歩いていたシンはハッとして叫び声の方に振り返る。

「だから言ったでござるよ、妃宮様。もっとおしとやかに歩いて・・でござる。」
波打ち際の砂浜の中からヒスン達に助け起こされるチェギョンの姿をシンは目の端に捉えた。
「・・・ったく、何をやっているんだ!まともに歩くこともできないのか?」
「殿下、妃宮様の教育お願いするでござるよ。面倒みきれないでござる。」
ヒスン達はシンにその場をまかせ灯台の方へ歩き出して行ってしまった。

「シン君、ごめん。魚がねおいしそうに泳いでたから・・・じゃない素敵な波がきて・・・」
「ほら、ごちゃごちゃ言ってないで着替えて来い。ここで待っているから・・ずぶ濡れじゃないか。風邪をひくぞ。」
「シン君、やさしいのねー。」
「なにが!こんな濡れ鼠の皇太子妃がそばにいたら迷惑なんだよ。」
チェギョンはあいかわらずのシンの言葉にぷうとむくれるとにらめ付けた。
「いいわよ、待っていなくても。あの灯台まで行けばいいんでしょ。ひとりで行けるわよ。」
チェギョンはずんずんと別荘の方に向かって歩き出す。

「まったく、すこしは皇太子妃らしくしろよ。どうせ迷子になるんだ。ここで待つか・・」
シンはくすっと笑いながらムキになって大股で歩くチェギョンの後姿を見つめていた。


その頃ユルは課題をようやく終え、約束したレストランへ向かうべく車にエンジンをかけていた。
フロントガラスの視界の中にチェギョンの姿を捉える。
「うん?どうしたんだ、チェギョン・・・」
怒った顔をしてユルに気づかず別荘の中へ入っていく。
ユルはエンジンを止めチェギョンの後を追った。

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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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