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嫉妬・・・1

「コン内官、それは本当なのですか?」
昌徳宮の応接室にてソ・ファヨンは東宮付きの内官に向かって何度も確かめていた。


「はい、恵政妃様。ユル様を義誠大君としてお認めになると陛下がおっしゃっていました。恵政妃様は、ユル様の母君として恵政宮様の称号が与えられます。ただ、『宮』との関わりは一斉してはならぬというお言葉です。ユル様の成人の儀式とともにこの称号は与えられ、皇位継承第2位になられます。」

「そうですか・・・・」

ファヨンはほっと溜息をつくとテーブルの上の紅茶を一口飲んだ。

「ただし・・・・」
「なんでしょう?コン内官。」

「ただし、皇太子殿下ご夫妻にお子様がお生まれになりましたなら継承権は第3位となられます。たぶん一生皇帝の椅子には座れずに過ごすこととなりましょう・・・・皇族のお仲間としてご公務をされなければなりませんし、今までのように自由には出来ないかと・・・・」

「わかっています。でも、これから先のユルの身の処し方について私はずっと悩んでおりました。陛下のお血筋をいただいていながら『宮』から遠いところに置かれ、彼の未来が見えてこなかったのです。」

「恵政妃様・・・」

ファヨンは立ち上がると、飾り棚の上にたくさん並べてあるユルの写真を手にとってそっと撫でた。

「コン内官はご存知でしたよね。私と陛下の事を・・・・・あの頃は本当に楽しかった。私達も若かったし何も怖いものはなかった。全てが思い通りになると信じていた。でも、身分の違いがこんなにも私達を隔ててしまうなんて・・・・・」

コン内官はファヨンから視線を外した。

皇太子の正妃は王族より選ぶべし・・・・・・・『宮』の古いしきたりだ。
そのしきたりを破ったがために命を落とした皇太子がいた。
だから、しきたりは守らなければならぬとの言い伝えがある。

「では、ユル様と充分ご相談なさいまして、近日中にお受けするかどうかお返事をくださいませ。」
コン内官はそういうと応接室をあとにした。











「なんだと!陛下がそうおっしゃったのか?パク尚宮。」
皇后が苛立ったようにソファの肘掛を叩くと立ち上がった。

「はい、皇后陛下。皇帝陛下の命を受けて只今コン内官は昌徳宮に行っております。」
パク尚宮はあまりの皇后の剣幕に身を縮めた。

「またもや陛下はこの私に何の相談もなく話を進めた。あの女、恵政妃が手を引いているに違いない。パク尚宮。正殿に行って陛下にお会いする。支度をせよ!」
「・・・あの、皇后陛下、ただいま皇帝陛下はご公務でお出かけになられております。」
「では、コン内官が帰ってきたらすぐにここへ呼べ。」
「はい、皇后陛下。」


陛下はまたこの私をないがしろにするおつもりか?!
もうあの時の辛い思いはしたくない。
外に陛下のお子がいたと知った時の私の気持ち・・・・陛下は判っておるのか?
ましてや結婚前の二人の恋愛など知らなかった。
私は何も知らずにこの『宮』に嫁いだ。


皇后は暫く歩きまわっていたがソファに座ると溜息をついた。


あの女の息子ユルを自分の息子のシンと兄弟などと絶対認めたくなかったし、この『宮』に招きいれるなど到底認められない。
この『宮』の秩序を守ってきたのは他ならぬこの私。
陛下にお子がいたと判っても黙認したことで『宮』に嵐は吹き荒れなかった。

それをなんで今更・・・・

こうなったら一日もこうしてはおられぬ。
皇太子の婚姻は成人して一年後に執り行うとしたが、もっと早めなければ!
皇太孫ができればより一層こちらは磐石なものとなる。あの女の自由にはさせない。


「パク尚宮、最高尚宮を今すぐ呼びなさい。皇太子の婚姻のことで相談があると。」
そういうと皇后はにっこり哂った。



「陛下がそのおつもりなら、私は自分の息子を守るまで。有無は言わせません。」
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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