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喪心・・・1

ホテルのスイートルームのソファにどかっと腰をかけ、タバコを持ち出すと火を付けた。
紫煙がゆっくりと渦巻きながら天井にのぼっていく。
それを目で追いながらシンは胸を抑えた。

いったいどうしたんだろう・・・・
何が起きたんだ?

俺はユルを・・・アイツを許せなかった。
恋人だって?
婚約指輪だって?
生意気だ。
この俺にはそんな選択肢はない。
好きな女を妻には出来ない。

・・・・好きな女?

そんな感情はとうに捨てたはずだ、何を今更・・・・・

シン・チェギョン。
なんていう女だ。
仮にも一国の皇太子に対してあの行動はなんだ?
よりにもよってキムパムを投げつけるなんて・・・・

シンは自分とのキスを口にしようとした時のチェギョンの表情が目に焼き付いて離れなかった。
恨めしいような、怒りが混じっているような・・・・そして悲しみに満ちた目。

「あの女・・・・・俺の事を哀れんでいる。」

苛立ったように立ち上がると部屋の窓辺へ寄った。
目の前には海が広がり、ただ静かに波が打ち返しているだけだった。

「俺は皇太子だ。私的な感情に流されてはいけない。全てを冷静且つ迅速に対応し、広い見識を持って物事に当たり、公平に・・・公平に・・・・・・・」
シンはガラスに映り込んだ自分の顔を見て驚いた。

「泣いているのか?」

拳を握り締めガラスに映った自分の顔を何度も拭き消す。
涙はとめどもなく流れ、シンは窓際に座り込んだ。

「殿下!」

窓際に座り込んだシンに気がついたコン内官は急いで傍に駆け寄る。

「コン内官、俺はどこかがおかしくなったのか?涙が止まらない。」
シンはうっすらと力なく笑うと膝を抱え込み俯いた。

「殿下・・・・・」

シンを幼い頃から見てきたコン内官はそんなシンを見て静かにシンから離れた。
自分の心が傷ついてどうしようもなくなった時、シンはそうして自分の膝を抱え俯くことで自分自身の心を守ってきた事を知っていたから・・・・


コン内官はそっと部屋を出ると広報局に電話した。

「すまないが、明日の殿下の公務は全てキャンセルにしておくように・・・・」
そういうと静かに電話を切った。
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Author:hana
韓国ドラマ【宮】をベースにした妄想話を綴っています。王道ありパラレルあり、風の吹くまま気の向くまま…

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